
野生のカピバラとケイマン(写真:コーラル・ウォータース)
人間とは夢ばかり見て、現実を知らないな、と思うことがある。こんなことをいうのも、「Caplinは野生にいたほうが幸せなんじゃないのか」というコメントが多いからなんだ。そんなことをいうなら、自分のほうが野生で暮らしてみたら、と僕はいいたい、人間の言葉がしゃべれるならね。
別に、カピバラはペットとして飼われるのが一番だといっているわけじゃないよ。僕だって、野生の暮らしがうらやましいと思う点もある。どこまでも続く自然のなかを旅して行ったり、雄大なアマゾンで泳いだり、見渡す限りの草原で草を食んだり、照りつける草むらの小さな木陰で家族とのんびり寝そべったり、すてきだよね。
だけど、上の写真を見て。小さいケイマン(ケイマンはワニの仲間)と大きなカピバラの写真だよね。このケイマンは小さいのでカピバラには害は及ぼさないけど、子供のカピバラなら食べられることもある。大きいケイマンなら、大人のカピバラだってびびるんだ。
それに、水中に潜む脅威はケイマンだけじゃない。
下の写真はオリノコ・クロコダイル(ワニ)だけど、ケイマンがまるでミニチュアみたいにみえるでしょ。大人のカピバラだって次々と食われてしまうんだ。

オリノコ川のクロコダイル
それから、こんなのはどう?ピラニアだ!こんなのがいる河に入ってみたい?まあ、いつもはほとんど害がないみたいだけど・・・実際に獰猛になったらどうかな?

ピラニア
それから、知らん振りをよそおっているヘビはどう?世界最大のヘビ、アナコンダもいるよ。大好物は・・・カピバラだって!

アナコンダ
他にもいるよ。ジャガーもピューマもカピバラを食べちゃうし、ワシなどの猛禽類も赤ちゃんカピバラを食べる。寄生虫や病気もあるしね。だけど下の写真が最大の天敵かも。

リャネロス
なんと、人間だ!人間はカピバラの肉を食べるし、毛皮をとる。農業のためにカピバラの草原を壊していくし、湿地に道路を作るから、事故死するカピバラもいる。
アーカンソー州にいる僕のおじいちゃんのキャプテンは18歳になる。だけど、保護地域に住んでいる野生のカピバラの寿命でも2年以下なんだって。メスのカピバラは捕獲されることが少なく、集団で暮らしているんだけど、それでもせいぜい5-6年くらいしか生きられないそうだ。オスは、普通一匹だけで暮らしているので危険が一杯だね。
夢を壊してごめんね。「エデンの園」のような楽園が野生にあったら、皆で移住するから教えてね。